この記事で分かること
小売業には毎年多くの人が入社しています。
しかし、小売業は3年以内に三分の一以上が離職する業界です。
この記事では、新卒で小売業に入社し11年間勤務した筆者が、小売業の離職率・キャリアと転職のタイミングについて解説しています。
小売業経験を元に解説していますので、是非参考にしてみてください。
小売業の3年以内の離職率は?
厚生労働省の令和2年離職率状況の公表によると、小売業の3年以内離職率は37.4%です。(平成30年大学新卒入社が対象)
全産業のうち、ワースト5位の離職率となっています。
全業界合計が約31%なので、小売業は6%離職率が高くなっています。
転職理由としては、
- 給料が低い
- 残業が多い
- クレーム対応がつらい
などが一般的に言われており、接客業ならではの労働環境が原因とされていることが多いです。
しかし、私の実体験では
- キャリアが見えない
- 人間関係が出世を左右する
上記の理由から転職する人がほとんどでした。
次に、この2つの理由について解説していきます。
小売業の離職の理由 ①キャリアが見えない
小売業では、店舗勤務の期間が非常に長いです。
そのため、自分のキャリアが見えない不安から転職する人がたくさんいます。
商品開発や企画に携わりたいと思っていても、現実は、店舗勤務で接客や体力仕事がメイン。
目指すキャリアと現場の業務にギャップを感じてしまうのです。
また、一般的な社会人では入社3年目になると、重要な仕事も任されはじめるため、友人との仕事の会話では「社会人としての成長の差」を感じることもあります。
さらに、目の前には、上司の店長が10年以上ずっと店舗で働いている現実。
小売業の下積みの長さを痛感し、転職を決意するのは時間の問題というのが小売業界の現状です。
小売業の離職の理由 ②人間関係が出世を左右する
小売業では人間関係が出世を左右します。
なぜなら、全ての仕事は人間関係でなりたっているからです。
従業員のほとんどがパート・アルバイトのため、実務の習得以上にコミュニケーション能力や気遣いが求められます。
出世の鍵はパートアルバイトとの関係構築です。
入社間もない頃は、パートの方に教わることもありますが、2、3年目になるとそのパートの方に指示する立場になります。
円滑な指示ができないと、パート・アルバイトとの関係が悪くなり仕事が進まなくなります。
夢を持って入社したのに、気付けばパートのご機嫌取りばかりしている状況にもなりかねません。
入社3年で現状に気付き、仕事やりがいを求めて転職をする人が増えるという現状もあるのです。
小売業のキャリアについて
小売業の離職原因について解説しましたが、次は小売業のキャリアについて解説します。
様々な事情で転職する人も多いですが、小売業ではキャリアの選択肢が豊富というメリットもあります。
小売業のキャリア
- 店舗部門:店長、エリアマネジャー
- 販促、企画部門:マーチャンダイザー、広告、レイアウト、新規出店
- 商品部門:バイヤー、在庫管理
- 人事部門:労務、採用、教育
上記のように、小売業では多くの部門を持っています。
また、SPA(製造小売業)と言われる、製造から販売まで一貫して行う企業では、キャリアはさらに多岐に渡ります。
ユニクロ、ニトリ、ジンズ、カインズなどがSPA企業です。
店舗部門ではマネジメント力、商品部門ではトレンドを読む力など、求められるスキルは異なりますが、多くスキルは最前線の現場である「店舗」で習得するものです。
私の経験からも、店舗勤務の下積みは辛いということは分かります。ですが、その下積みは必ず将来に繋がっています。
小売業から転職したい気持ちの人は、一度キャリアプランを書き出し、自分の将来と今できることを再確認してもいいかもしれません。
小売業から転職するタイミング
最後に、キャリアを見直しても転職をしたいと思っている方へ「転職するおすすめのタイミング」を紹介します。
- 20代
- 役職・マネジメント経験2年以上
- 自己分析ができており、やりたいことが明確な状態
私の転職経験からすると、上記が最も転職しやすいタイミングです。
小売業3年目までの方は、ポテンシャル採用が通用するので、小売で学んだコミュニケーションスキルを活かして転職が十分可能です。
4~7年目(29歳まで)は、即戦力としての活躍が求められるので②のマネジメント経験があると転職しやすくなります。
30歳以上からは一気に転職の難易度が上がってくるので転職するなら20代がオススメです。
しかし、年齢的なタイミングもありますが、やりたいことが明確でない間は、無理に転職する必要はありません。
キャリアの項目でも解説したように、小売業はキャリアの選択肢が豊富というメリットがあります。
現状の不満だけで判断してしまうと、転職先ではキャリアの選択肢が少なく、自分の可能性を狭めてしまう結果にもなります。
ミスマッチを避けるためにも、しっかりとまずは自己分析をするのがおすすめです。
まとめ おすすめの自己分析方法
最後におすすめの自己分析を紹介します。
- 転職エージェントを使う
- 自己分析ツールを使う
自己分析は自分だけの力ではうまくいきません。
転職エージェントの面談や便利なツールを活用し、まずは自己分析を十分に行いましょう。
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